ダンナは私の事を抱き枕がわりにして眠るのが大好きだ。



私にとって、これって結構、しんどい体勢。

寝よう寝ようと思っても、寝付けない。

だからといって、眠りの浅いダンナの腕をほどいてしまうとダンナが起きちゃいそうで、

そう簡単には動けない。



しょうがないから、私はしんどい体勢のまま、楽しかった昔の事を思い出して愉しむ。

先日は、昔すっげぇ片思いしていた頃の事を思い出してみた。

片思い相手のＫさんと知り合ったのは、ある海外旅行がきっかけだった。

知り合ったばかりの人を好きになった事なんて、それまでなかった私は、

ドキドキしているのは錯覚なんだと思い込もうとしていた。

でも、旅行が終わる頃には、

この旅行が終わったらもうＫさんには会えないのかも・・・。そんなの絶対にイヤだ。

強くそう思っていて。

そうだ。帰りの飛行機の中で、Ｋさんと一緒に見た映画はペリカン文書だったなぁ。

旅行中は胸が一杯で、あまりご飯を食べられなかったんだっけ。

帰国後、体重が２．５キロ減ってたんだ。

帰国してから初めて遠出した大瀬崎（おせざき）では、

私が掴んでたオレンジの浮き輪が風に飛ばされたのが原因で、手をつないでシュノーケルしたんだっけ。

イカの赤ちゃん、可愛かったなぁ。

その時撮った２ショットの写真、引き伸ばして大事に持ち歩いてたなぁ。

そういやあの時履いてたビーサン、ピンクだったなぁ。

Ｋさんに電話で告白した時、オレンジのポロシャツ着てたよな、私。

フラれてからも、沢山一緒に遊びに行ったけど、２年間ずっとＫさんだけを思い続けていて。

もう一度、好きと伝えたかったけど、それで会えなくなったらどうしようかと、そうとう泣いてたよね。

Ｋさんを吹っ切れたのは、コンサートに誘ってみたけど、断られた時だったな。

Ｋさんにチケットを渡そうとして用意した封筒、あれこれ悩んでアレにしたんだっけ。





はぁー。なつかしー。ドキドキするなあ。あははー。





夢見心地でふわふわしていた私は、はっとした。

ダンナの腕の中で、（いくら過去とは言え）ダンナ以外のオトコの事を考えてるなんて・・・(笑)。